・大手監査法人のスタッフの1年目から3年目の年収
・年収が大幅にアップするタイミング
公認会計士を目指す人の多くは、合格後の進路は大手監査法人を選ばれると思います。
ただ、大手監査法人に入ってからどのくらい稼げるのかというのは、あまり教えてもらえないものです。
そこで、この記事では、大手監査法人のスタッフの経験がある私が、実際の源泉徴収票の情報から、大手監査法人の年収をご紹介します。
法人や部署、担当するクライアントによって個人差はあると思いますが、年収の目安にはなると思いますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
大手監査法人の1年目(J1)の年収

入所時期の関係から、1年目は1年間通じて働いていないため、月給を年間計算して年収を算出しています。

私の1年目の年収は「5,576,561円」でした。
「公認会計士試験に合格したら高給取りになれる!」と思っている人にとっては、意外と少ない年収と感じるかもしれません。
私は20代後半のころの前職で年収450万円程度でしたので、「あんまり増えなかったなぁ」という印象がありました。

ただ、公認会計士を目指す人の多くが20代と考えると、20代の平均年収は300万前後と言われていることを考慮すれば、かなり高給な方だと思います。
さて、私の1年目の年収の解説に戻りますと、補足する点が2点あります。
それが「残業」と「賞与」です。
私の1年目の働き方としては、繁忙期以外の残業はさほどしていませんでした。
なので、残業代はさほど年収に加味されていないです。
次に賞与ですが、入所のタイミングの関係で、賞与の計算期間のうち、すべての期間を在籍していたわけではありませんでした。
そのため、賞与は何割か減額された金額を受け取っています。
体感、60%~70%程度の賞与の支給です。
大手監査法人の2年目(J2)の年収

私の2年目の年収は「6,238,799円」でした。
1年目と比較すると、約66万円の増加となりました。
2年目で大きく年収が増えましたが、これは「残業代」「賞与」「ベースアップ」が影響しています。
まず、1年目に比べて圧倒的に残業が増えました。
私は部署の中でも長時間労働が求められることで有名なクライアントを担当していましたので、監査の繁忙期に限らず、四半期レビューや内部統制の関連でも普通に残業をしていました。
次の賞与ですが、1年間通じて在籍したので、満額支給された分、年収が増加したように見えます。
最後に、ささやかながらベースアップもありましたので、それが年収アップにつながっています。
2年目は、1年目に比べて、任される範囲が広くなったので、その分の残業代で年収が増えたと思っていただければOKです。
私の場合、クライアントが面倒くさいのも相まって、残業代は増えていますが。
大手監査法人の3年目(J3)の年収

私の3年目の年収は「6,788,155円」でした。
2年目と比較すると、約55万円の増加となりました。
増加要因は「残業代」「ベースアップ」が影響しています。
2年目に引き続き、長時間労働で有名なクライアントを担当していて、3年目になってさらに担当範囲が増えました。
その分、残業が増えました。
おかげで年収も増えましたが、若干健康を害しました。
また、2年目と同じようにベースアップもありましたが、ささやかなものなので、年収増加の基本は残業代だと思ってください。
監査法人の年収を考える時の注意点

この記事を書いて思ったことが、監査法人での年収は残業代に左右されるということです。
大手監査法人(BIG4)であれば、基本の給与はさほど変わりません。
差が出るとしたら、どれだけ働けるかという点にあります。
ただ、近年はどの法人もワークライフバランスを謳っているので、残業代で稼ぐというのは難しいかもしれません。
それでも稼ぎたいと思う人は、残業が比較的許される法人や、その中でも大変なクライアントを選ぶのは、ありだと思います。
ちなみに、他法人に所属する友人から聞いた話ですが(その法人は最近は残業があまりできないらしい)、残業ができないせいで年収が下がり、転職する人が増えたという、冗談のような本当の話を聞きました。
ワークライフバランスを大切にするか、残業してでもお金を稼ぐか、好みによって選んでいいでしょう。
年収が大きくアップするタイミング

スタッフの年収が残業代に左右されている話を聞くと、夢がないと思うかもしれません。
しかし、ここで朗報です。
監査法人には年収が大幅にアップするタイミングが明確に存在します。
それは、スタッフからシニアスタッフになるといった、いわゆる昇格のタイミングです。
昇格すると、法人によりますが、月給が5万~10万前後で増加します。
単純計算で、年収が100万程度の増額となります。
さらに、給与が上がるということは、賞与や残業代の金額も上がることになりますので、人によっては年収で100万~200万の増額というのは十分にあり得る話です。
シニアスタッフは残業代が出ることから、人によっては年収が1000万円近くまでなることもあります。
「年収1000万円」はそれなりに夢のある数字かなと思いますので、大手監査法人に入った際には、シニアスタッフまで目指してみるのは年収的にアリだと思います。
ちなみに、マネージャーになると残業代が出なくなるケースが多いので、年次の浅いマネージャーよりもシニアスタッフが稼いでいるということが発生しがちです。

この記事のまとめ
- 大手監査法人のスタッフの年収は「550万円~680万円」が相場
- 年収は残業代によって大きく増減する
- シニアスタッフになるタイミングで年収が大幅に増加する
年収は時代・監査法人・部署によってかなり変動しますので、一概なことが言えません。
今回は私の実例ですが、これよりも多くもらう人もいれば、少なくもらう人もいると思います。
とはいえ、極端に多い・少ないということもほとんどあり得ないと考えています。
大手監査法人に就職する際の参考の一例として使っていただけると幸いです。