【公認会計士】修了考査に落ちる人の4つの特徴

2022年2月13日

この記事に書いてあること

・修了考査に不合格になる人の特徴4つ

・修了考査に合格するためにするべきこと

この記事では、僕の経験上、修了考査に不合格になりやすい人の特徴をまとめてみました。

「修了考査に落ちたくない!」と思っているのであれば、ぜひ読んでみてください。

修了考査に落ちる人の特徴4選

公認会計士の修了考査を受験する人のほとんどは監査法人に勤めています。

僕も監査法人で務めた経験があるのですが、これから紹介する4つの特徴は、監査法人で修了考査に落ち続けている人の「あるある」です。

なので、監査法人に勤めている人は、油断しているとこの特徴に当てはまってしまいますので、注意してください。

勉強しないで試験を受ける

修了考査について、監査法人の先輩から「実務をやってれば簡単だよ」「答練を3周すれば合格できる」とかよく言われます。

これを真に受けて、まったく勉強しないで本番に挑む人がいます。

これは圧倒的に間違いで、ほぼ確実に不合格になるでしょう。

あくまでも修了考査は「試験」ですので、実務がどれだけ優秀でも試験の点数には直結しません。

試験である以上、試験で点数を取るための特別な訓練(試験対策)が必要不可欠です。

なので、実務で優秀だからと言って勉強をしないで試験を受けるのは、強靭な肉体を持った人間が戦地に武装なしで突っ込むのと同じくらい無謀です。

いくら強靭な肉体があったとしても、戦地で銃撃にあえばひとたまりもありません。

修了考査も同じで、実務が優秀でも、対策をしなければ試験の点数は取れません。

修了考査は公認会計士の最終試験であり、最後の壁という感じに、真剣な試験であることを認識したほうがいいです。

試験休暇前まで勉強をしない

監査法人に勤めていれば、2週間から1か月ぐらいの試験休暇を取得することができます。

ただ、2週間から1か月という短い勉強期間で、修了考査に自信をもって挑める人は少ないと思います。

というのも、修了考査の試験範囲は想像以上に広いからです。

例えば、会計と税務と監査に関しては、論文式試験と変わりないと言って差し支えないです。

不安な人

え…論文式試験と同じくらいって、試験範囲広すぎでは…?

そうなんです!
だから修了考査は軽く見てはいけないのです!

ヌル

特に税務に関しては、論文式試験の範囲よりも広いです。

法人税の組織再編税制の細かいところが出題されますし、論文式試験では試験範囲に入っていなかった相続税も出てきます。

これらの税務の内容は、監査法人に勤めている程度では、経験することがありません。

なので、税務に関しては、監査法人で実務をやっているアドバンテージというものも特にありません。

こういった理由から、税務に関する試験対策は修了考査の勉強時間の多くを使います。

仮に試験休暇が1か月あったとして、税務だけでも2週間は勉強したいぐらいです。

となると、残り2週間で4科目を勉強することになりますので、時間がかなり限られていることが分かると思います。

余裕をもって合格するには、試験休暇前までに税務の授業を全部受けておくぐらいはしていないといけません。

答練を3周だけ勉強する

修了考査の通説で「予備校の答練を3周すれば、十分に合格できる」というのがありますが、これは嘘だと思ってください。

予備校の答練で出題される範囲は、修了考査の範囲の一部にすぎません。

合格するには、答練で出た問題の派生論点もきちんと解けるようにしておく必要があります。

派生論点については、答練の解説だけだと不十分なことが多いです。

派生論点を網羅的に勉強するには、授業やテキストの読み込み、練習問題を解くのが必須と言えます。

一部の科目で足切りされる

修了考査には足切りがありまして、得点率40%を下回った科目が1つでもあると、その時点で不合格です。

特に、経営と職業倫理については、足切りされる可能性があります。

経営と職業倫理は配点が少ないことや少し勉強すれば点数が取れるようになることから軽視されがちです。

ただ、油断して勉強を全くしていないとかだと、当たり前ですが全然点数が取れません。

会計・税務・監査といった科目よりは重要じゃないにしても、足切りにならないようには勉強する必要があります。

もちろん、会計・監査・税務も勉強しないと足切りされる可能性はありますよ!
ただ、会計・監査・税務はちゃんと勉強している人が多いので、足切りされている人はあまり見たことがないです。

ヌル

修了考査に合格するための3つのポイント

これから解説することをやれば「絶対に合格できる」なんて言えませんが、少なくとも合格には確実に近づきます。

これから修了考査に挑戦する人は、ぜひ実践してみてください。

予備校を早めに申し込む

修了考査の受験要件を達成する見込みができたら、可能な限り早めに予備校を申し込みましょう。

具体的には、試験が12月なので、どれだけ遅くても7月~8月の夏季の長期休暇前には申し込むことをオススメします。

「早めに申し込むなんて当たり前じゃん!」と思うかもしれませんが、監査法人に勤めている人を見ていると、9月とか10月、遅い人は11月に入ってから申し込む人も一定数います。

もし、あなたの周りの人が修了考査の予備校に申し込むのが遅かったら、あなたもそれに引きずられて申し込みを後らしてしまう可能性があります。

なぜ、早めに申し込むべきなのかというと、早めに修了考査の難易度の温度感をつかめるからです。

修了考査を受験したことがない人にとっては「修了考査は簡単」という思い込みが少なからずあるはずです。

この思い込みはやっかいで、勉強を試験ギリギリまでやらない原因になります。

この思い込みをぶち壊すためにも、まずは何も考えずに予備校へ申し込んでください。

実際に予備校のテキストを見てもらえれば、修了考査はそんなに甘い試験ではないことが分かります。

修了考査の実態を早めに知ることができれば、対策する時間はたくさんありますので、合格への道筋を描くことができます。

逆に、予備校に申し込むのが遅いと、対策する時間は残されていませんので、不合格になる可能性は高まります。

ちなみに、修了考査の予備校は「TAC」「大原」「CPA」が王道です。

有名で実績豊富な「TAC」と、近年の公認会計士試験の合格率が高い「CPA」が人気の印象です。

監査法人に勤めていると割引の案内がありますし、その予備校の卒業生で受けられる割引もあります。

これらの割引もうまく活用して、予備校に申し込んじゃいましょう。

試験休暇前から授業を受ける

試験休暇に入ってから勉強をスタートさせようとしても、頭が勉強モードに切り替わってないので、最初のうちは勉強が進まないです。

また、単純に勉強量が多いので、試験休暇に入ってから勉強を開始しても、単純に勉強時間が不足します。

そこで、予備校の授業だけは試験休暇前から受講するのをオススメします。

もし、あなたに時間の余裕があれば、講義と答練は予備校のカリキュラム通りに受講できるのがベストです。

何も深いことを考えずに、予備校のカリキュラム通りに授業を受けて、答練を受けてということをしていれば、それだけでほかの受験生より間違いなく勉強の進捗は早いです。

カリキュラム通りに勉強する人が難しい人は、週1で土日のどちらかに授業を1本だけ見るとかでもOKです。

とにかく早めに勉強を始めて、頭を勉強モードに切り替えて、勉強に慣れることが大切です。

試験休暇を十分に確保する

受験初年度でしたら、試験休暇は1か月は欲しいところです。

監査法人によって試験休暇の制度は異なると思いますが、可能な限り長く試験休暇を確保しましょう。

仕事を優先したり、休むことに気が引けたりする人は、試験休暇を短期間に設定する場合がありますが、それはやめましょう。

確かに、試験休暇で仕事を長期間空けるのは気が引けると思いますが、不合格になって来年、再来年と受験し続ける方が迷惑というものです。

ちゃんと休みを確保して、きっちり勉強して、1発合格するのが、あなたにとっても周りの人にとっても最善の選択肢です。

この記事のまとめ

  • 「答練3周」で合格できるほど、修了考査は甘くない!
  • 予備校に早めに申し込んで、修了考査の雰囲気をつかむのがまずは大切
  • 試験休暇を長期間確保して、1発合格するのが最善

公認会計士試験は論文式試験までが難しすぎるので修了考査は軽視されますが、修了考査に合格しないと公認会計士登録はできません。

また、監査法人によっては修了考査の合格がシニアスタッフへの昇進条件になっているところもあります。

こういったメリットを受けるための試験だと思えば、修了考査に真剣に向き合うことができるのではないでしょうか。

この記事を読んで、修了考査に合格する人が1人でも増えることを祈ってます。

ではでは。

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