「論文式試験には何を持っていかなきゃいけないんだっけ……? 他にも、あったら便利な持ち物とかないのかな?」
論文式試験を初めて受験するあなたは、こんな悩みを持っているのではないでしょうか。
論文式試験は年に1回です。しかも、その結果次第で、それ以降の人生が大きく変わってきます。そのため、試験の準備にも力が入るでしょう。
そんな試験の準備を少しでもお手伝いするために、ぼくが実際に論文式試験で使った持ち物を紹介したいと思います。
この記事の内容
- 忘れると不合格になる持ち物:3個
- 必須な持ち物:9個
- あったら便利な持ち物:6個
目次
忘れると不合格になる持ち物:3個
絶対に・死んでも・何があっても忘れてはいけないものが3個あります。
この3個を忘れると即不合格になると思ってください。
逆に言えば、この3個さえ忘れなければ、当日なんとかなります(次章の「必須な持ち物」も忘れるとやばいですが、この3個に比べたら楽勝です)。
健康なカラダ
「持ち物じゃないやんけ!」と突っ込まれるかもしれませんが、ぼくは真面目な顔で「健康なカラダ」が一番忘れてはいけないものだと断言します。
実力を発揮するためには、健康状態が良好であることが不可欠です。どんなに実力があっても、当日インフルエンザにかかってしまっていたら、脳みそはろくに動きません。信じられない人は、模試を徹夜明けの脳みそでやってみてください。絶対にまともな解答ができません。
健康なカラダを当日持っていくには、他の持ち物と比べてとても大変です。
なぜなら、当日に「不健康」を「健康」にリカバリーすることができないからです。
栄養ドリンクをどれだけ飲んでも、風邪薬をどれだけ服用しても、一瞬で健康になることはできません。試験の1週間ぐらい前から調整しないと、当日を健康な状態で迎えることができません。
しかも、論文式試験は3日間ぶっ通しで行われるので、3日間ずっと健康でなければいけません。
1日目が健康だったとしても、十分に休息を取らないと、2日目以降に悪影響が出ます。1日目の試験が終わった時点でかなり疲労が溜まりますから、家に帰ったら勉強するよりも休息を十分に取ることを意識してください。
「1点でも多く取りたいから勉強したい!」という気持ちが分かりますが、いい結果を出すためにはまずは健康なカラダです。そのために、疲労感があったら勉強よりも休息を優先しましょう。
受験票
「受験票」を忘れたら受験できません。これは絶対のルールですので、忘れないように前もって準備しておきましょう。
インターネット出願した人は、印刷して自分で受験票を作らなければいけません。また、ダウンロードできる期間に制限があります。勉強が忙しいからといって後回しにすると、その回の論文式試験では泣くことになります。
受験票は短答式試験と同じものを使います。短答式試験からそのまま論文式試験に挑まれる方は、短答式試験の後に紛失しないよう注意して保存しておきましょう。
一応、忘れた・紛失した場合の救済策はあります。運転免許証等の顔写真付きの身分を証明できるものがあれば、当日再発行が出来ます。
しかし、これは最終手段です。
ぼくは受験票を忘れた経験はありませんが、受験票を「忘れた」「紛失した」瞬間に、絶対にやばいくらい焦ります。
たとえ受験票を再発行ができたとしても、その後の試験にもその焦りが続くでしょう。そんな精神状態でいい成績が出せると思いますか? ぼくはボロボロの成績になる自信があります。
受験票は忘れたら最後、と思って準備をしてください。
また、論文式試験は3日間で行われるため、受験票を出し入れすることが多いです。そのため「家に忘れる」「会場に忘れる」「紛失する」といったことが起きやすいので、注意して取り扱いましょう。
写真表
受験票ばかりに注意していると忘れがちなのが「写真表」です。写真表も受験票と同様に、忘れたら受験できません。
写真表はインターネット出願した人は必須の持ち物です。写真表もなるべく早めに準備することをオススメします。
短答式試験で提出した人は、論文式試験では不要です。このあたりの注意事項は論文式試験の1ヶ月前ぐらいに案内が届きますので、よく読んでおきましょう。
必須な持ち物:9個
この章の持ち物も必需品です。絶対に忘れないようにしましょう。
前章を強調したいために章を分けていますが、重要度はほぼ同じです。
ただ、前章と違うのは、この章の持ち物はリカバリーが簡単ということです。コンビニで買うもよし、隣の人に借りるのもよし。使い慣れない道具で解きにくいかもしれませんが、何もせずに不合格になるよりははるかにマシです。
「弘法筆を選ばず」ということわざがあるように、勉強を十分に積んでいればどんな道具でも合格点は取れます。忘れたとしても、焦らずに対応すれば全然問題ないと覚えておきましょう。
黒のボールペン
論文式試験の解答は、すべて黒のボールペンか万年筆でしないといけません。自分の使い慣れたものを持っていきましょう。
予備も1本準備しておきましょう。万が一使えなくなったときに対応できなくなります。
消えるボールペンは絶対にダメです。試験官はコピーして採点をするのですが、消えるボールペンはコピーで写りません。
ぼくが使っていたボールペンはジェットストリームの0.7です。書きやすくて前職のころから使っていました。0.7は太いと思われるかもしれませんが、細いと壊れやすいしかすれやすいので0.7を使いました。太くて修正しにくいなどの不便さは感じたことがないので、迷っている人は0.7でOKです。
実際に使っていたボールペン
ボールペンの替え芯
論文式試験ではボールペンのインクの半分以上を消費するため、試験中にインク切れになる可能性があります。予備のボールペンを準備するため出番はほとんどありませんが、念のために持っていくと安心できます。
実際に使っていたボールペンの替え芯
シャーペン・鉛筆
普段から使い慣れているものをそのまま持っていきましょう。予備にもう1本持っていくと安心しますよ。
ぼくは0.5の太さを好んで使っていました。下書きはかなり細かくなるので、適度な細さがほしかったからです。
実際に使っていたシャーペン
替え芯
シャーペンを使う人は替え芯を持っていくと安心です。試験中にシャーペンの芯がなくなることはほぼありませんが、念のため持っておいた方が良いです。
ぼくは「B」を好んで使っていました。HBよりも柔らかく、少しの力で濃い色が出るからです。HBは硬すぎて、ぼくの筆圧には合いませんでした……。
書くのが早い人は「B」が書きやすいと思いますので、オススメです。
実際に使っていた替え芯
消しゴム
消しゴムは予備を必ず持っていきましょう。
消しゴムの大きさは、ぼくは小さめを好んで使いました。下書きを細かく修正するときに、小さい消しゴムは本当に助かります。
実際に使っていた消しゴム
電卓
電卓も予備を1台用意することをオススメします。試験中に壊れることはめったにありませんが、壊れてしまったら万事休すです。
できれば、予備の電卓は普段と同じものを用意した方がいいですが、ケチりたい人は100均の電卓でも構いません。持っていくだけで安心感が違います。
ぼくはTACの電卓が好きだったので、それを2台持ち込みました。1台4,000円ぐらいするので予備を同型にするか迷いましたが、4,000円で合格できるならと思って買いました。
実際に使っていた電卓
時計
試験会場には時計がありませんので、時計は必ず持っていきましょう。
時計も万が一に備えて、2つ用意しておくことをオススメします。
ぼくはメインが卓上の電波時計で、予備に腕時計を持っていきました。卓上時計を2つ置くのは、さすがに意味がなさすぎだと思ったからです。
実際に使っていた時計
定規
定規は管理会計と経営学で使わないと解答できない場合があります。
管理会計では、主に最適セールス・ミックスの可能域の図示で定規が必要です。経営学では、主にオプション取引のダイアグラムを描くときに定規が必要です。
これらはフリーハンドでは点数が来ない(来ても満点ではない)ので、定規を準備しなければなりません。
ただ、必要となる可能性は低いので、予備を準備するほどではありません。
実際に使っていた定規
ホッチキス
ホッチキスも必須です。人によってはいらないと思う人もいますが、ぼくはホッチキスがあることで論文式試験はかなり解きやすくなると考えています。
詳しくは、以下の記事を読んでみてください。
実際に使っていたホッチキス
あったら便利な持ち物:6個
ここからの持ち物は、なくても合否には大きく影響はしません。
ただ、不測の事態に対応することができたり、休憩時間を有意義に使えたりする持ち物があるので、それを紹介していきます。
上着
論文式試験は8月のめちゃくちゃ暑い時期に行われますので、試験会場のエアコンは冷房がものすごく効いている場合があります。そのため、夏なのに寒い教室や冷房の直風に当たるといったトラブルに当たってしまう可能性があります。
そういったときのために、上着を1枚持っていっておくと体温管理ができて便利です。
ペットボトル
ふた付ペットボトル入り飲料(500ml程度のもの1本。缶入り飲料は不可)を持ち込むことが認められています。
試験中は口が乾くと集中しづらいので、適度に飲みながらのほうが解答しやすいです。うまく問題が解けていないときにも、小休止として水分を補給するのも、良い気分転換になります。
飲み物は好きなものでいいと思います。ただ、コーヒーや緑茶は利尿作用があるので、あまりオススメはできません。試験中に席を立つのはもったいないですからね。
お昼ごはん
当日に試験会場の近くコンビニでご飯を買おうとしても「めちゃくちゃ混む」「売り切れてる」といったことが起きます。
牛丼屋などで食べようとしても、混み合ってて待ち時間が長い場合が多いです。
昼食を取るときにこのようなストレスは害でしかありません。朝に試験会場に向かう途中にお昼ごはんを買ってしまいましょう。
ティッシュ・ハンカチ
鼻をかむ・汗を拭くといったことに使えます。生理現象を放置していると集中の妨げになるので、それを解消できる道具はあると便利です。最悪は袖口で対応という手もありますが、さすがに汚いですね。
写真付き身分証明書
運転免許証などを持っていきましょう。万が一の受験票・写真表の再発行に使えます。
テキストなどの勉強道具
次章の「別になくてもいいもの」に含めるか迷いましたが、こちらの章に入れました。
「え、必須な持ち物じゃないの?」と思われるかもしれませんが、必須ではないと断言できます。
勉強道具を持っていく必要がない3つの理由
- 試験の間の休憩時間は長いようで、実は短い
- 緊張や疲労でテキストの内容が頭に入らない
- かえって不安を生む原因になる
試験の間の休憩時間は長いようで、実は短い
科目の間の休憩時間は2時間ありますが、試験終了と同時に解答用紙の回収とその確認作業があります。これが結構長くて、特に最初の科目だと試験官が不慣れなこともあり、20分ぐらい何もできずに待たされます。
開放されたらお昼ごはんの時間です。食べる速さやお昼ごはんの準備の有無によって違うと思いますが、ここでは30分と考えます。
さらに、次の試験の10分前にはテキストをしまうように指示が入ります。
このように、2時間のうち1時間ぐらいは自由に活動ができません。残った1時間で勉強ができる気もするかもしれませんが、他の2つの理由のネガティブな要素を考えると、できれば休憩に使ったほうがいいとぼくは考えます。
「食べながら勉強できるんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、ながら勉強は思っている以上に頭に残りません。消化にも悪いということでぼくは絶対にしませんでした。
緊張や疲労でテキストの内容が頭に入らない
これは本番を経験しないとわかりませんが、試験後はめちゃくちゃ疲れます。模試とは比べ物になりません。そんな状態でテキストを読んでも、読んでいるフリになってしまうだけです。
かえって不安を生む原因になる
もし、直前で読んだテキストの部分が、自分の記憶とズレていたらどう思うでしょう。間違いなく焦りますね。テキストが限られた量しか持ち込めないし、時間もありません。そのため、その記憶のズレを埋めることはできません。
さらに、その論点が出題されてしまったら、さらに面倒です。その問題を正解できるかは怪しいですし、自分の記憶を疑って他の問題にも悪影響が出かねません。
これら3つの理由より、テキストなんかは重要な持ち物ではありません。実力は前日の夜までに確定していると割り切って、必要最低限のものだけを持ち込みましょう。
重いのが嫌だなと思った人は、持ち込まなくてOKです。その分、休憩時間はフル充電しましょう。
別になくてもいいもの
ここまでに紹介しなかった持ち物は、忘れてもまったく問題ないです。
たとえば「耳栓」「蛍光ペン」などでしょうか。
これらを普段から使っている人は、持っていったほうが試験を解きやすいと思うので、持っていくべきでしょう。
ただ、そういった人にとっても、これらを忘れても解答は十分にできるはずです。だから忘れしまったら「合否には関係しないか」と気にせずに割り切りましょう。
普段使っていない人は、持っていく検討すら必要ありません。
まとめ:試験当日は健康であることが合格の絶対条件
この記事のまとめ
- 「健康なカラダ」だけは絶対に持っていけるように調整する
- 「受験票」と「写真表」は前もって準備しておく
- 必須な持ち物は意外とリカバリーが効くので、忘れても焦らないようにする
- テキストなどの勉強道具は最低限に。実力は前日までに確定しています
年に1回しかない論文式試験ですから、失敗しないように準備に準備を重ねると思います。
ただ、大切なのは本番の試験に集中できるかどうかです。そのための道具が揃っていると思ったら、それ以上は考えすぎないほうがいいです。変に考えて、当日まで不安を引っ張ってしまっては、とてももったいないです。
ぜひ、この記事を参考に持ち物を揃えて、試験の前日はゆっくり寝てください。
じゃーの。