「公認会計士試験に暗記はどのくらい必要なの?」
「理解も大切って聞くけど、理解って何? 暗記とのバランスは?」
こんな疑問に答えます。
この記事の内容
- 「暗記」とは何か 「理解」とは何か
- 「暗記」と「理解」の関係性
- 「暗記」を効率よく行うコツ2つ
こんにちは、"ぬ"です。
公認会計士試験の短答と論文のどちらにも、合計2年弱の勉強で一発合格しています。
公認会計士試験は「とにかく暗記だ!」とか「理解していれば暗記はそこまで必要ない!」とか、こんな話を聞きませんか?
僕はこれらの話は「正しい部分もあるけど、間違っている部分も多い」と感じています。
これらの話を鵜呑みにして合格できるなら問題はないのですが、時々勘違いをしているために不合格の負のスパイラルに入っている人を見ます。
結論を最初に言ってしまうと、
合格のためには暗記と理解の両方をバランスよくやる必要があります。
普通に考えたら当たり前のことなのかもしれませんが、なぜバランスよく暗記と理解が必要か、その理由をこの記事では説明します。
目次
「暗記」は勉強の基礎基本
暗記とは、知識を覚えることです。
試験と呼ばれるものすべてにおいて共通ですが、知識がなければ正答することは絶対に不可能です。
公認会計士試験かどうかに関係なく、暗記は勉強において一番の基礎基本です。
公認会計士試験に焦点を当てると、他の試験よりも広範囲かつ高精度の暗記が求められます。
広範囲って意味だと、公認会計士試験は短答4科目・論文6科目と多く、各科目も出団範囲が広いため、かなりの量の暗記を要求されます。
高精度って意味だと、公認会計士試験は固有名詞が多く、使い方を間違えるだけで意味が全く伝わらなくなります。
例えば、監査"人"と監査"役"。一文字違うだけで意味が全然異なりますよね。
しかも、論文では自分の手で文字を書かないといけないため、適当な暗記だと結局点数にはつながりません。
ここまで簡単に説明しましたが、公認会計士試験における暗記の重要性をなんとなく感じてもらえたのではないのでしょうか。
「理解」とは「言い換える能力」
暗記の対照、あるいは上位概念のように語られるのが「理解」です。
講師も受験生も「理解」と口々にいうので知っている気になりますが、そもそも「理解」ってなんでしょう。
僕は「言い換える能力」だと思います。
何かを言い換えるためには、その何かを語れるくらい深くちゃんと知っている必要があります。
これは暗記による知識の積み重ねともいえますね。
また、何かを言い換えるためには、その何かを他の何かと結びつけて人に伝えられることでもあります。
これは暗記した知識をつなぐ接着剤のような作用です。
ここまで読んで薄々感じたかもしれませんが、
理解とは、暗記した知識をどう使うかといった応用力です。
暗記と別々のものでもないし、暗記よりすごいものでもないのです。
「暗記」をしてから「理解」をする
これが勉強の基本的な流れで、これ以上のこともないと僕は考えます。
まずは、暗記をして知識を貯める。
特に短答式は暗記していれば正答できる問題が数多く存在します。
短答式を合格しなくては論文式を受けられませんので、まずは歯を食いしばってたくさんの暗記を頑張ってください。
ただ、暗記するだけは飽きると思うので、ある程度知識が貯まったら、理解しているかどうかを確かめてみましょう。
理解を深めるには、暗記した単語を自分の言葉で説明してみたり、論文の練習問題をたくさん解いてみることがオススメです。
その時に「単語がうまく出てこない」「書けない」のは暗記不足です。
もう一回テキストを読んで暗記しなおしましょう。
「書くべき単語はすべてわかっているのに、うまくつなげられない」のは理解不足です。
なぜその単語を書く必要があるのか、意味は何か、趣旨は何なのか。
単純な暗記不足や、自分の中で納得していないから書けていないのです。
対処法としては暗記のし直しや、講師や同じ受験生に質問することで、頭の中を整理できます。
暗記を効率よく行うためのコツ2つ
最後に、僕も実践した暗記のコツを2つご紹介します。
夜に暗記をする
僕の勉強スタイルとしては「午前と午後はアウトプット中心、夕方や夜は授業などのインプット(暗記)中心」でした。
このスタイルにしたのは、インプットした後にすぐに睡眠すると脳に記憶が定着しやすいということを知ったからです。
また、午前中は脳がフレッシュな状態でアウトプットに適した時間帯というのもあって、午前中にインプット作業を避けたというのもあります。
さらに、一日中勉強していると夕方以降は脳の動きが鈍くなります。
そのタイミングでゴリゴリの計算問題や難しい理論問題などのアウトプットをしようとしても、うまく脳が動かなかったという経験があります。
その点、頭が動かない状態でも、授業を聞き流すぐらいならできます。
もちろん、授業を手を抜きながら聞くわけではないですが、計算問題などと比べたら負荷は軽いです。
区切りのタイミングで脳内で思い出す
記憶を定着させるには「思い出す」という行為がとても大切です。
テキストだったら1ページや1項目、授業だったら1セクション(50分くらい?)と区切りがあので、テキストやノートなどを見ずにインプットしたことを思い出しましょう。
おそらくその時は思い出せないと思いますが、繰り返し思い出そうとしましょう。
この思い出そうとする行為自体が暗記を助けてくれます。
「思い出す」には練習問題をすることも含まれているので、授業後のミニテストや練習問題をきちっとやるだけでも、暗記を助けてくれます。
良くないのは「テキストを読みっぱなし」「授業をききっぱなし」というパターンです。
その時はわかった気になっていますが、絶対に覚えていません。
いざ答練で思い出そうとしても時間が経ちすぎていて全然問題が解けないということになります。
まとめ:まずは歯を食いしばって暗記しよう
最後に、この記事を簡単におさらいします。
- 「暗記」は勉強の基礎基本なので、頑張ろう
- 「暗記」が足りないのを「理解」に逃げちゃいけない
- うまく暗記ができないのなら、夜にインプットをしてみよう
僕が特に危ないなと思うのは「理解」を信じるばかりに「暗記」をおろそかにしてしまうことです。
確かに、論文式は知識量ではなく応用力が問われるので、「理解」が大切というのはわかります。
ただ、知識あっての応用であることを忘れてはいけません。
短答合格を目指している人は、まずは「暗記」で知識量を増やす。
論文合格を目指している人は、引き続き「暗記」で知識量を増やしたり精度を上げる。
そのうえで、知識を自在に操る応用力として「理解」も頑張る。
こんなバランス感覚で勉強を進められれば、合格は自ずと近づいてきます。
じゃーの。