【公認会計士試験】ケアレスミスの種類とその対処法

2018年10月5日

論文式試験は「ケアレスミスを少なくした人が合格する」といったことを言っていた予備校の講師がいました。実際にほとんどの受験生の実力はそこまで変わりませんので、合格ラインギリギリの受験生はケアレスミスで明暗が分かれます。ケアレスミスで合格を逃してしまうというのは後悔してもしきれないですから、事前に対策をしておきましょう。

「ケアレスミスなんてしないだろう」と油断していると、本番で足元をすくわれます。本番の緊張感だからこそ普段しないようなケアレスミスを犯してしまうのです。

実際に公認会計士試験ではどのようなケアレスミスがあるのでしょうか。ケアレスミスの種類とその対応策をまとめてみました。

論点ズレ【重要度:A】

論点ズレは解答を求められている論点と全く異なる論点を書いてしまうことです。出題者はどの問題も「こういった解答が欲しい」という意図を持って問題を作っていますので、その出題者の意図を大きく異なる解答をすれば当然点数はゼロです。

論点ズレは論文式試験で最も注意しなければいけないケアレスミスで、その中でも特に「企業法」は論点ズレが点数に大きく響きます。

企業法は大問が2つ、大問のうち小問が2つで、問題は4つにしか分かれていません。企業法は100点満点ですので、均等に配点すると小問1つあたり25点となります。もし論点ズレをしてしまった場合には25点を失います。事実上75点満点で勝負することになるため、その影響はかなり大きいことが分かっていただけると思います。

企業法ほどではないですが、他の科目も同様です。せっかく書いたのに点数がゼロですし、その上書いた時間がただ無駄になるだけです。

しかも論点ズレは頻繁に発生しやすいです。

点数・時間・発生頻度、どの影響も大きいので十分に対策しなければいけないケアレスミスです。

ちなみに、短答式試験では論点ズレを心配する必要はありません。そもそも論点ズレということが起きづらいですし、起きたとしても1問あたりの配点がそこまで高くないので、他の問題で十分カバーできるミスの範囲です。

対処法

1つ目の対処法として「日々の勉強を積み重ねる」、これに尽きます。

自分が知っている論点が少ないと、その論点の中でやりくりしようとするため、論点ズレは起こりやすくなります。

また、日々の勉強で知らない問題に対しての対処する練習をしていないと、「とりあえず書こう!」という気持ちが先行してしまって、結局論点ズレを起こしていて、点数がもらえないということもあります。

2つ目の対処法として、解答をする際に「自分の知っている論点だと思ってすぐに飛びつかないこと」があります。

自分の知っていることをつい書きたくなってしまいますし、論点が合っていれば大きく点数を獲得することができますから、飛びつきたくなる気持ちはすごく分かります。

ただし、そのような状況は自分の目を曇らせています。確かに似たような論点だけど問題で求められている解答は全く違うといったことがよくあります。もし目が曇った状態ですと、論点ズレに気づくことはできません。。

知っていそうな問題だからこそ、書き出す前に一度落ち着いて問題で問われていることを丁寧に読み解きましょう。その上で大丈夫そうであれば自信を持って書けば、その分の点数がしっかりもらえます。

マークミス、解答箇所間違い【重要度:A】

短答式試験ならマークミス、論文式試験なら解答箇所間違いも注意すべきケアレスミスです。

発生の可能性はかなり少ないですが、万が一やらかした場合には減点の大きさがケアレスミスの中ではダントツです。

短答式試験だったら、解答する場所は1問ずつズレていていた場合、最悪0点だってありえます。

対処法

短答式試験なら「試験終了10分前にすべての問題を確認する」ようにしましょう。10分もあれば、すべての問題をマークミスしていても十分に修正する余裕があります。

10分前には試験官からアナウンスがありますので、それを目安に解答用紙の確認をしましょう。

普段の模試から気をつけることで本番でもスムーズに確認をすることができます。本番だけ気をつけようと思っても、緊張や焦りでうまくいかないです。

論文式試験では「問題用紙と解答用紙を連動して動かすようにする」ことです。短答式試験と同じように10分前の確認はできません。なぜなら解答箇所を間違えて記入してしまった場合、修正テープで消して再度書き直さなければなりません。この作業はどんなに早くても1問10分程度はかかりますので、何問か解答箇所を間違えていた場合には、10分では時間が全くなりません。

そのため、そもそも解答箇所を間違えないように気をつける必要があります。

特に「企業法」「監査論」はどの問題も解答用紙の枠が似ていますので、要注意です。

問題用紙と解答用紙を常に連動させておけば、解答箇所を間違えることは少なくなります。

論点漏れ【重要度:B】

論点漏れは解答として書くべき論点のいくつかが抜けてしまっている状態です。

論点漏れは論点ズレと似ているように感じるかもしれませんが、減点の度合いが全く違います。

論点漏れを犯していたとしても、書いてあることが論点を少しでも指摘していて間違いでなければ多少なりとも点数を獲得することができます。例えば10点中2点とか。

これに対して論点ズレはゼロであることがほとんどです。

対応策

論点ズレと同じで日々の勉強をどれだけやったかによって、論点漏れを防ぐ可能性が高まります。

符号ミス【重要度:C】

計算問題で計算結果がマイナスになることがあります。その時にマイナスを表すために「ー」や「△」を符号としてつけることがあります。マイナスなのに解答の指示で符号を付けないといったこともあります。

符号をつける指示が問題にあれば、それに従わなければ当然不正解になります。せっかく計算は正しかったのに符号ミスで落とすのはとてももったいないです。

ただ、符号のミスは点数にそこまで大きくは響きません。マイナスの計算結果になる問題は多くは出題されません。体感ですが出題されたとしても計算問題の2割ほどです。仮にその2割をすべて落としてしまったとしても、他の計算問題や理論問題で十分に挽回できます。

とはいえ、ミスをしないに越したことはないので、多少は気を使うようにしましょう。

対応策

「問題の指示をしっかり読む」ことです。問題を流し読みしていると符号の指示を見落とすことがあります。また指示があったとしても、いつも「ー」で付けているからという思い込みで、「△」の指示があるにもかかわらず、「ー」で解答してしまうことがあります。

符号の指示があったら、わかりやすく目印をつけるなど、自分の中で意識付けをしてください。そうすれば解答する際に符号のことを思い出します。

解答する際に用心深くもう一度指示を見直すこともいいですね。

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