公認会計士の試験勉強ではどの予備校でも答練(模試)があります。この答練を有効活用できるかどうかが合格への分かれ道となります。
しかしながら、なんとなく答練を受けて、「解答できた」「できなかった」といったことに一喜一憂している人を多く見かけます。
そこで、この記事では答練をどのように利用したらいいかを説明したいと思います。
まずは答練を受けること
予備校で準備された日時に答練を受けるのではなく、問題だけをもらって後日受ける方がいらっしゃいますが、初学者の方にとってはあまりオススメできません。
初学者の方は、試験の形式に慣れていません。いくら知識があっても試験に対する経験値が少ないと安定して得点を重ねることは難しいです。
過年度生にとっては、すでに書く練習を積んでいますので、答練をテキスト教材として「書かずに読む」手法もアリだと思います。そのほうが様々な論点に触れることができて、本番の試験で見たことのない論点というのが少なくなります。
答練を書かずに読む手法は、別のブログですが、リンクを掲載しておきます。参考にしてみてください。
答練は自分の勉強の進捗度の確認にもなります。ぜひ予定された日時に受けてみてください。
本番を想定すること
答練を受ける際は、常に本試験であるかのような緊張感を持って受けましょう。
本試験では1点が合否を左右することがあります。答練だからと言って、解けない問題をただ放置するのはよくありません。なんとか1点でもいいから多く点数を獲得するという諦めの悪い姿勢で答練に挑んでください。
諦めの悪い姿勢は一朝一夕にできるものではありません。スポート選手が練習で追い込むように、答練から1点でも多く稼ぐという気持ちが無いと、本番でその力は発揮されません。
また、解答時間が過ぎてもダラダラ受けている人がいますが、答練を意味がありません。自分の本当の実力がわからなくなりますし、本番では制限時間を超えて解答することは許されません。答練でそういった悪癖を付けていると、本番でも同じように解答をしてしまう可能性があります。要注意です。
予習はなるべくしておくこと
カリキュラムの最初のころの答練は試験範囲を指定している場合が多いですので、なるべく答練の試験範囲の予習をしておきましょう。
予習した状態とそうでない状態で受けた場合では、得れるものが全然違います。
予習をしていない状態だと、答練で見る問題は初めて見る問題ばかりでしょう。初見力を高めるにはいい機会かもしれませんが、知識を十分に身に付けていない状態ではただわからないだけですので、初見力すら得られません。
予習をしておくと、見覚えのある問題はある程度解けます。答練はなるべく本試験の形式に寄せていますので、答練で解答できたということは本試験への自信になります。また、見覚えのない問題でも、基礎ができていれば解答できる可能性があります。
何より、勉強した中で身に付いたものとそうでないものがはっきりします。身に付いていたものには自信を持ち、そうでないものは何が苦手だったのかを対策することができます。
しかし、すべての科目の予習を行うことは難しいです。答練に向けて勉強しているのではなく合格に向けて勉強しているのですから、答練以外にも授業の復習や問題練習がありますので、答練の予習に多くの時間を割いてもかえって効率を悪くします。
そこで、「企業法」「監査論」といった理論専門の科目の予習の優先度は下げましょう。「できたらやる」ぐらいのモチベーションでいいです。
なぜなら、上記に記載した予習のメリットは計算科目のほうが効果的だからです。理論科目の答練は、テキストに乗っていないような論点が出題されることも多く、予習のメリットが十分に得られない場合があります。他の勉強や計算科目の予習で理論科目にまで手が回らないようでしたら、いっそやらないほうが効率的に勉強を進められます。
復習は自分自身でやってから解説の授業を見ること
答練の試験時間は大体が1時間から2時間、論文式の財務会計なら3時間と、かなり長いです。答練の後は疲れていますが、答練の直後に解説授業が1時間あります。この授業が曲者で、答練の終わった直後に受講したとしても、「疲れていて頭に入らない」「そもそもできなかったので解説されても意味がわからない」と、あまり復習に役立ちません。
そこでオススメなのが、「答練の後に自分で復習した後に、解説の授業を見る」という方法です。
この方法では、答練で自分が解けなかった問題をあらかじめ把握することができます。加えて、解けなかった問題に関して「そもそもわからなかった」「ケアレスミスだった」など、できなかった程度を判断することができ、問題に対する復習の仕方を効率的にできます。
一度復習した後に解説の授業を受けると、問題とは直接関係ない論点の解説や解き方のテクニックがスムーズに頭に入ってきます。私はこういった情報こそが解説の授業による一番の価値だと考えています。
ちなみにこの方法は、Webで授業を受けられる人限定のやり方です。もし予備校に申し込む前でしたら、Webでも授業が受けられるようなオプションを付けておくことをオススメします。
おわりに
- 答練を日程通りに受けること
- 本番を想定して受けること
- 予習はなるべくしておくこと(企業法と監査論を除く)
- 解説授業は後日に見ること
この4点を押さえておけば、答練を使って点数アップが望めます。ぜひ意識してみてください。