短答は得点率40%未満で足切りです【原因と対策も伝授】

2020年2月8日

「短答に足切りがあるって聞いて怖いんだけど、どういう仕組みなの? 対策とかあるなら教えてほしい」

こんな疑問に答えます。

この記事の内容

  • 1科目でも得点率が40%未満だと「足切り」
  • 「足切り」の3つの原因
  • 「足切り」にならないための対策

こんにちは、"ぬ"です。
公認会計士試験の短答に、約1年の勉強で合格してます。

受験生時代、合格するための対策の一環として、足切りをしないという意識もしていました。

その経験をベースに、どうしたら足切りを回避できるかを書いてみましたので、足切りを不安に思っている人の助けに少しでのなればと思います。

1科目でも得点率が40%未満だと「足切り」

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そもそも「足切り」と言うのは、

成績全体で見れば合格水準に達しているものの、特定の科目の点数が悪すぎる場合に不合格になる

という仕組みです。

足切りの基準は、公認会計士試験を管轄している公認会計士・監査委員会が公表しています。

⑸ 合格基準
① 短答式試験
総点数の 70%を基準として、審査会が相当と認めた得点比率とします。ただし、1科目につき、その満点の 40%に満たないもののある者は、不合格とすることができます。

引用:令和2年公認会計士試験受験願書及び受験案内等の配付について(第I回短答式試験用)

ちょっとわかりづらいですが、要は「どれか1科目の得点率40%未満だと足切り」ということです。

得点率といっても、やっぱりわかりづらいので具体的な点数で説明すると、以下の通りになります。

  • 財務会計:200点満点→80点未満で足切り
  • 企業法・監査論・管理会計:100点満点→40点未満で足切り

足切りの怖いところは、全体でどれだけいい点数を取っていても、1科目が足切りの基準を下回ってしまった場合、問答無用で不合格になるという点です。

本当なら合格していたのに不合格だった場合、勉強を続けられるかわからないくらいショックをうけそうですね…。。

「足切り」の3つの原因

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プレッシャー・緊張・焦り

試験当日のプレッシャーや緊張というものは、人生のうちでも上位を争います。

僕は大学受験の少なくとも倍以上はプレッシャーを感じました。

プレッシャーや緊張を過剰に感じていると、自分でも信じられないようなミスや焦りに発展します。

「普段なら正答できるレベルの問題がなぜか解けない」「知らない論点でパニックになる」といったことです。

僕も管理会計で似たような経験をしました。

どう見ても簡単な問題なのに、計算した答えが選択肢にないのです。
何回か解きなおしても答えが出ません。

「これ、他の受験生は正答できてるだろうな」という気持ちでいっぱいになってしまって、完全に頭が止まってしまいました。

幸い、「計算問題に8分使ったら次の問題に着手する」とあらかじめ決めていたので、最終的には適当に答えて次の問題を解き始めることができました。

焦りで何もできなくなるというのはああいう感覚なんだと強く覚えています。

マークミス

短答はマークシート方式です。

マークシート方式は解答用紙は非常に単調なので、マークする場所を間違えたり、最悪は1問ずつズレて解答していたりします。

「そんなしょぼいミスはしないよ」と思うかもしれませんが、本番の空気にやられると何が起こっても不思議ではありません。

僕も「マークミスなんて絶対にしない」と思っていたのですが、答練でマークミスに気付いたことがあります。

公認会計士試験の問題は難しい問題も多く含まれているので、難しい問題は飛ばします。

飛ばすと当然、解答欄は空白になります。

その空白にしている部分に別の問題の解答をマークしてしまって、その後からのマークもズレて、どの問題の解答がどの解答欄にしたのかわからなくなってしまいました。

結果、すべてを消してマークしなおしです。
修正だけで5分ぐらいの時間は使ってしまいましたね。

まだ気づけただけマシといえますが、気づけなかったら点数はひどいことになっていましたね…。

このように、試験中に注意を払っているつもりでも、このようなうっかりは起こってしまいます。 

偏った勉強方法

苦手な科目があると、得意科目で稼げばいいやという気持ちになります。

これ、危険な考え方です。

得意科目に偏った勉強をしていると、得意科目の問題が例年と傾向が違った場合に大惨事になります。

出題傾向が変わったり難易度が異様に高い場合、高得点を取ることは難しいです。

逆に、問題が非常に易しくなった場合、受験生全員が高得点を取ってしまいますから、差がつかなくなります。

通常であれば、他の科目でリカバリーすればいいのですが、偏った勉強をしているとそのリカバリーも効きません。

こういった出題リスクを回避するためにも、科目は幅広く勉強しておくことをおすすめします。

「足切り」にならないための対策

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予備校で実際に答練を受ける

心に余裕がないと答練をサボりがちになりますが、答練はなるべく受けることをオススメします。

それも、なるべく予備校で受験生が集まっているところで。

答練はアウトプットのよい機会ですが、テストの空気に慣れるという点でもとても重要です。

テキストをしまってから開始の合図までの時間の使い方、途中にトイレに活きたくなったらどうするか、シャーペンの芯がなくなったら、消しゴムが落ちたら、問題をどうやって見直すか、終了ギリギリまでの時間の使い方…などなど。

こういう細かい配慮は軽視されがちですが、とっても重要です。

本番で落ち着いて解答できるようになるためにも、空気に慣れておきましょう。

記念受験する

本番の空気をつかむためには、本番を経験するのが一番です。

そこで、落ちることを前提に本番に臨むのは大いにありです。

例えば、12月短答合格を目指しているのであれば、5月短答を記念受験するのです。

2万円くらいの受験料をドブに捨てることになりますが、それに見合った経験ができます。

僕も実際にやりました(そして当然のように落ちました)。

試験会場の道のりや設備、注意事項の読み上げ、試験員の見回り、試験中のアナウンス、試験後のトイレの込み具合、昼食をどうやって食べるべきか、試験が終わった後の異様な疲れ…などなど。

こういった空気をあらかじめ触れておくことは財産になります。

やったことない人にとってはピンとこないかもしれませんが、だまされたと思って記念受験してみてください。

絶対プラスになります!

「残り10分」の合図で解答用紙を見直す

本番でも答練でも、「残り10分」の合図はあります。

このタイミングで解答用紙を一度見直すようにしましょう。

見直す時間がもったいないと思うかもしれませんが、マークミスしている方がよっぽどもったいないです。

見直しにはかかっても2分ぐらいです。

残り8分あれば、計算問題なら1問は解けるはずですので、見直ししてから取り掛かっても全然遅くはありません。

普通に合格できる実力をつける

そもそも論ではありますが、実力がある人は足切りにおびえたりはしません。

試験までにすべての科目の重要論点をきちんと勉強してきた人にとっては、多少解けない問題があっても「ほかの問題でリカバリーすればいいや」と割り切れます。

本番の空気に飲まれてパニックになってしまうのは、自分に対する自信がないからです。

こういった自信をつけるためには、日々の勉強の積み重ね以外に道はありません。

逆に、日々ちゃんと勉強を継続できていれば、足切りを意識する必要はあまりないかもしれません。

まとめ:日々の勉強が「足切り」の不安を払拭させる

最後に、この記事を簡単におさらいします。

  • 「足切り」は本番のプレッシャーや緊張によるものが多い
  • 試験本番の空気に慣れておくことが大切
  • 日々の勉強をちゃんとこなせていれば「足切り」は怖くない

テクニカルな対策も書きましたが、一番の対策は「日々の勉強」かなと思います。

そもそも実力不足を感じている人は、足切りを考える前に、日常の勉強方針を考え直すのもありです。

なぜか本番だけ弱い人は、記念受験だったり見直す時間を強制的に作るといったテクニックを試してみてください。

この記事を読んだみんなが合格して、同じ会計士として働けることを待ってます。

じゃーの。

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