「持ち込み可能なものの中に、ホッチキスがあるけど、どうやって使うんだろう。
公認会計士試験では、短答式試験と論文式試験の両方で、ホッチキスの持ち込みが可能となっています。
しかし、試験を受けていないと、どのように使うのかイマイチ想像しづらいのではないでしょうか。
そこで、この記事では公認会計士試験でのホッチキスについて、解説します。
目次
ホッチキスの基本的な役割
ホッチキスは(当たり前ですが)紙を留めるための道具です。そのため公認会計士試験でも紙を留めるために使います。
具体的には、問題用紙を留める際に使います。問題用紙は冊子になっていますが、中央が破りやすい作りになっているため、両端を持って引っ張ればきれいに問題冊子を分けることができて、冊子から紙の束にすることができます。
紙の束にした場合、ホッチキスで留めないと、散らばったり順番がわからなくなったりと最悪です。
そこでホッチキスを使います。具体的な使い方は、次章から解説します。
ちなみに、解答用紙にはホッチキスを一切使いません。
短答式試験の解答用紙はマークシート1枚で完結するため留める要素がありません。論文式試験の解答用紙は複数枚ですが、配布された時点であらかじめ留まっているため、わざわざ留める必要がありません。
短答式試験ではホッチキスを使わなくていい
短答式ではホッチキスを使用する必要はありません。理由は2つあります。
短答式試験でホッチキスを使わない理由
- 問題用紙が「両面印刷」であること
- 解答形式が「一問一答形式」であること
問題用紙が「両面印刷」であること
短答式試験の問題用紙は「両面印刷」です。
ホッチキス留めを左上に1箇所すると想定すると、両面印刷の場合にはかえって見づらくなります(1枚目をめくったらその裏に2枚目となる)。
そのため、無理にホッチキスで留めてしまうと、かえって解答の効率を悪くします。
解答形式が「一問一答形式」であること
短答式試験では、基本的には1問が問題用紙1ページに収まっています。多くても2ページです。
その程度であれば、問題用紙が冊子でもあまり不都合はありません。ホッチキス留めが効果を発揮しそうな箇所をあえて挙げるなら財務会計の総合問題ですが、ホッチキス留めするほどの問題料ではないです。
論文式試験でのホッチキスの使い方
短答式試験とは異なり、論文式試験ではホッチキスを活用した方が解答をスムーズに行うことができます。
論文式試験の問題用紙の印刷は「片面印刷」となっています。そのため、冊子をばらして左上にホッチキス留めすると、きれいに問題を読むことができます。
また、問題形式が短答式試験と比べて量が多く複雑です。問題用紙3~4枚分の大問から、複数の解答を求めるものばかりです。
以降は、ぼくが実践した「論文式試験の科目別のホッチキスの活用方法」を紹介します。
監査論
監査論は大問ごとにホッチキス留めをしてください。
ただ、問題用紙は監査論全体で5ページ程度が想定されますので、大問を気にせずにすべての問題をホッチキス留めしても構わないです。このあたりは好みですね。
租税法
租税法は「理論」「法人税法」「所得税法」「消費税法」で分けてホッチキス留めしてください。
法人税法は分量が多い(多いと12ページ程度になる場合も)ので、更に細かく分けたくなります。しかし、あまり細かく分けてしまうと、問題用紙の管理が難しくなります。
問題用紙すべてを一括してホッチキス留めすることもできますが、ぼくはオススメしません。
なぜなら一括してホッチキス留めをすると、問題用紙が分厚くなり、めくるのが大変で問題の行き来がしづらくなります。
これは経験しないとわからないと思いますので、気になる人は模試でやってみてください。
管理会計(会計学:午前)
管理会計は大問ごとにホッチキス留めをしてください。管理会計の大問は2つですので、2つのホッチキス留めをすることになります。
管理会計は大問の中に小問1と小問2に分かれるので、大問2つ✕小問2の合計4つに分けるパターンも考えられます。
が、ぼくは4つに分けることはオススメしません。
なぜなら、小問2を見失うからです。
小問1は大問1という表示が合わせてされているため見失うことがありません。しかし小問2には、どの大問に紐付いているかが表示されていません。
そのため「この小問2はどっちの大問の小問2なんだ?」ということが発生します。
管理会計の解答用紙は小問ごとに形式が違うので、解答用紙と問題用紙を照合すれば間違えることはないですが、その照合する時間がもったいないです。
また、問題を見失うということは焦りにも繋がります。
余計な時間を心配を自分で増やす必要はないです。
財務会計(会計学:午後)
財務会計は大問ごとにホッチキス留めをしてください。例年どおりなら大問3つですので、問題を3つに分けることになります。
企業法
企業法はすべてを一括してホッチキス留めしてください。企業法の問題用紙は基本的に2枚ですので、ホッチキス留めする必要性がそもそも高くありません。そのため、論文式試験において企業法だけは、ホッチキス留めをしなくても構いません。
経営学
経営学は大問ごとにホッチキス留めしてください。例年通りであれば、大問1が理論問題、大問2が計算問題となります。
まとめ:論文式試験ではホッチキスを使うと解答しやすい
この記事のまとめ
- 公認会計士試験の問題は、冊子から紙の束にすることができる
- 短答式試験は問題用紙の性質上、ホッチキスを使う必要はない
- 論文式試験の問題用紙はホッチキス留めをしやすいし、問題量が多い
- 論文式試験は科目ごとにホッチキスの使い方を変えて、解答をしやすいように工夫する
解答しやすい環境を作るということは、合格のために最善をつくすべきです。
なぜなら、受験生同士の実力にはさほど差がないからです。最終的に差が出るのは、本番でうまく解答できたかどうかです。
ホッチキスという道具は、上手く使えば本番の解答の手助けに間違いなくなります。
ですから、論文式試験の勉強する際には、ホッチキスを有効に使ってみてください。