こんにちは、ヌルです。
働きながら9か月、退職して14か月の約2年勉強して公認会計士試験に合格しました。
現在は大手監査法人で事業会社の監査をしてます。
・公認会計士に合格するための勉強って、どのくらいの時間が必要なの?
・人によって勉強時間が全然違うんだけど、何を信じればいいの?
こんな疑問に応えます。
公認会計士試験は、医師・弁護士に並ぶ国家三大資格と呼ばれている難関資格で、合格に必要な勉強時間も膨大であることは耳にしたことがあると思います。
ただ、勉強時間の目安については、人によって言うことがばらつきがとてもあります。
そのせいで、どの情報が正しいのかがよくわからないと思います。
そこで、この記事では、僕なりの目安の勉強時間と、人によって勉強時間がバラバラである理由を解説します。
どのくらい勉強したらいいかわからない人は、ぜひ最後まで読んでみてください。
では、本編をどうぞ!
目次
勉強時間の集計の前提条件

目安の勉強時間を説明する前に、どのような条件で勉強時間を集計したのかを解説します。
というのも、この条件によって、勉強時間が左右されるからです。
まず、「公認会計士合格」の定義ですが、これは「論文式試験に合格」とします。
この定義については、個人差というのはないと思います。
次以降の項目は、かなり個人差が出ますので、勉強時間が異なる大きな要因になります。
この記事を書いている人の基本情報
- 偏差値60程度の大学に現役で合格し、日本文学を専攻し、4年で卒業。
- 卒業後は5年間ほどITベンチャーなどで勤務。
- 公認会計士を目指すまで、簿記を勉強したことがない。
- 働きながら9カ月勉強し、退職して14か月勉強に専念。
- 12月の短答式試験に合格。
- 短答式試験に合格した年度の論文式試験に一発合格。
上記の僕の基本情報と近ければ近いほど、この記事の勉強時間を目安として使える可能性は高いです。
僕よりも基本スペックが上だと思えば、勉強時間は割り引いて構いません。
僕よりも基本スペックが下だと思えば、勉強時間は割り増しが必要でしょう。
勉強時間の集計方法
- 「Be Focused Pro」というアプリを使って時間を集計。
- 授業や答練など、公認会計士試験の勉強として使ったあらゆる時間を集計。
- ただし、移動など隙間時間の勉強は厳密にカウントできていないので、これはざっくりと集計。
勉強時間の集計に使ったアプリの特性上、勉強に集中している時間のみを集計しています。
そのため、一般的な勉強時間の集計よりも厳密だと思います。
合格に必要な目安の勉強時間は「2年で2,700時間」

これらの前提条件で集計した結果、僕が公認会計士合格までの勉強時間は、
「2年で2,700時間」でした。
なので、僕と似たような人は、「2年で2,700時間」の勉強ができれば、合格可能性はかなり高いはずです。
ここからは科目ごと・試験内容ごとに、どのくらい勉強をしたのか解説します。
公認会計士合格までの科目ごとの勉強時間

財務会計論には、かなり重きを置いて勉強していました。
その理由は「短答・論文ともに配点が多い」「試験範囲が広い」「正答できるようになるまで時間がかかる」というのが挙げられます。
また、管理会計論と企業法も、この中では比較的多くの勉強時間を使っています。
これは僕がそれらの科目に苦手意識を持っていたからなので、あまり気にしなくてOKです。
管理会計論と企業法の勉強時間の多さは僕個人の事情ですが、財務会計論に多くの時間を使うのは、ほとんどの受験生に共通の事項だと考えます。
財務会計論にちゃんと勉強時間を使えるかが、公認会計士試験の合格のカギと言っても、過言ではありません。
短答式試験合格の目安の勉強時間は「1,500時間」
僕は短答式試験の合格までに、およそ「1,500時間」の勉強をしました。
短答式試験合格までの科目ごとの勉強時間

短答式試験の勉強の半分以上は財務会計論に時間を使っていました。
というのも、短答式試験の財務会計論の配点は、500点満点中200点と大きなウェイトを占めるからです。
この配点のせいで、他の科目がどれだけ成績が良くても、財務会計論で失敗すれば、短答式試験の合格は難しいです。
加えて、財務会計論は試験範囲が広く、計算問題については早く正答できるようになるまで時間がかかりました。
試験における配点の重さ、科目自体の難易度の高さから、財務会計論には多くの勉強時間を僕は使いました。
監査論は比較的少ない勉強時間でした。
これは、僕が監査論が割と好きで、覚えるのも大して苦労しなかったからですね。
一般的にはもう少し監査論に時間を割いてもいいと思います。
このあたりの得意不得意は個人差があるので、勉強を進めていく中でちょうどいい勉強バランスを見つけてください。
ちなみに、短答式試験の勉強時間については、別記事でもまとめているので、興味のある方は読んでみてください。
論文式試験合格の目安の勉強時間は「1,200時間」
僕は、短答式試験合格から論文式試験合格までに、およそ「1,200時間」の勉強をしました。
論文式試験合格までの科目ごとの勉強時間

財務会計論は論文式試験においても配点が多いため、重要視して勉強をしていました。
また、計算問題の形式は短答式と雰囲気が違いますし、論述も短答式以上の知識と文章力を求められます。
こういった試験の配点や難易度から、財務会計論は論文式においても中心的な科目だと僕は考えます。
租税法と選択科目である経営学は、論文式から新たに登場する科目です。
そのため、勉強はゼロからのスタートですので、科目に慣れるまでに時間がかかりました。
また、租税法については計算が結構難しいです。
さらに、僕は租税法に苦手意識があったので、点数が取れるまでかなり時間を要してしまいました。
租税法については、時間を使った割には、論文式試験において唯一偏差値が50を下回りました(笑)
管理会計・企業法・監査論は、知識は短答式で身につけたものを論文式にある程度生かせる印象があります。
もちろん、論文式の論述練習などは必要ですが、他の科目に比べると、比較的に勉強時間は少なくても点数が取れるようになりました。
人によって勉強時間が異なる3つの理由

さて、ここまで読んでいただいて、こんな疑問があるのではないでしょうか。
「2年で2,700時間」の勉強をすれば合格できるっていうけど、少なすぎでは?
この疑問はごもっともだと思います。
公認会計士の大手予備校であるTACは「3,500時間」が目安と言っています。
実際の多くの合格者の経験談をベースに算出されているので、確度は高いものだと思います。
公認会計士試験の勉強時間は、3,500時間が一つの目安です。最短合格を狙う場合でも、最低2,500時間の勉強時間が必要となります。
これと比較すると、僕の勉強時間の計算は都合が良すぎな感じがします。
ただ、この疑問にある程度の答えは持っているので、解説します。
勉強時間の集計方法が違う
僕の勉強時間の集計方法は、かなり厳密な方です。
なので、TACの集計した時間よりも少なくなっていると思われます。
僕の受験生時代の1日のスケジュールは、午前中は3時間、午後は4時間、夜2時間の合計9時間は勉強時間として確保していました。
ただ、僕の集計方法ですと、1日当たり6時間程度になります。
これは、机に向かっていても、休憩していた時間や集中できていない時間が含まれていないからです。
人によっては、上記のスケジュールの9時間を勉強時間とするかもしれませんが、僕は6時間と集計しているわけです。
仮に、僕の勉強時間を1.5倍してみると「4,050時間」になるため、こちらの方がTACの言っている勉強時間に近く、多くの人と近い感覚なのかもしれません。
勉強体験や地頭が違う
合格までに必要な勉強時間というのは、かなり個人差が現れると思います。
例えば、東大卒とFラン大学卒を比較した時に、どちらが先に公認会計士に合格できそうかと聞かれたら、東大卒を選ぶと思います。
東大に合格できるぐらいですから、子供のころに勉強の方法をかなり身についていて、勉強に対する慣れもすごいはずです。
こういう土台があるかないかだけで、必要な勉強時間に大きな差が生まれることは、感覚的に分かるんじゃないかなと思います。
参考例としまして、ロディさんという人の記事を見つけましたので、引用させていただきました。
あくまで個人的見解ですが、2年間で5,500時間勉強をすれば公認会計士試験に合格できると考えます。
僕が考える2年で2,700時間と比較すると、倍ぐらい違いますね。
引用のリンク先を読んでいただきたいのですが、ロディさんの大学までの学力と僕の学力を比較しますと、正直、僕の方が上です。
そのため、必要な勉強時間に大きな差ができているのではないかと推測されます。
一方で、9カ月で合格できるという化け物もいます。
この人は、僕よりも勉強慣れしていますし、地頭もかなり上です。
なので、僕よりも全然短い期間で合格を勝ち取れたんじゃないかなと思います。
合格までの年数が違う
公認会計士試験の論文式は年1回のテストですから、不合格になってしまった場合、再受験は来年を待たなければいけません。
十分に合格できるレベルの人が、不運にも不合格になった場合、また来年に向けて勉強する必要があります。
もし勉強しないと、これまで覚えてきた知識の大半を忘れることになります。
となると、必然的に勉強時間は丸々一年分増えます。
2年で合格した人と3年で合格した人を比較したら、後者の方が総勉強時間が多くなってしまうのは、試験の形式上、仕方のないことなのです。
勉強時間は目安でしかない

最後にお伝えしたいのは、勉強時間は目安でしかないということです。
たくさん勉強したからと言って、絶対に合格する保証というものは、残念ながらありません。
僕が言う「2年で2,700時間」は、短答式の合格率80%、論文式の合格率80%に到達するために必要な時間だと思ってください。
その両方に一発で合格できるとなると、可能性は64%に下がってしまいますが、64%も勝率があれば、それは十分に勝算があると言っていいはずです。
勉強時間に絶対はないですが、最低限やらないと勝負にならないのが、この公認会計士試験です。
なので、あなたにとって必要な勉強時間を定めて、それを目安に勉強することが、合格への道のりなんじゃないかなと思います。
まとめ:勉強時間は自分と近い状況の人を参考にしよう
最後にこの記事を簡単にまとめます。
- 公認会計士合格に必要な勉強時間は「2年で2,700時間」
- 合格に必要な勉強時間は、人によって異なることに注意する。
- 勉強時間は絶対的なものではなく、あくまで目安。
大切なのは、自分と近い状況の人の勉強時間を参考にすることです。
旧帝大の人なら旧帝大の合格者を、日東駒専なら日東駒専の合格者を参考にした方が、自分に合った目標の勉強時間を設定できます。
この記事が、あなたの公認会計士合格の少しでも助けになれば幸いです。