【公認会計士】社会人の合格には「3年」の勉強期間は最低必要

2020年7月3日

こんにちは、ヌルです。
働きながら9か月、退職して14か月の約2年勉強して公認会計士試験に合格しました。
現在は大手監査法人で事業会社の監査をしてます。

・社会人で公認会計士に合格するには、何年くらいかかるの?
・働きながら勉強できるか不安…。

こんな疑問に答えます。

ただでさえ難関資格と呼ばれる公認会計士。

そんな難関資格を目安の勉強時間もなく挑戦するのは、ストレスでしかありません。

にもかかわらず、社会人で働きながらとなると、その目安の勉強時間は見当がつかないのではないでしょうか。

そこで、今回の記事では、僕の経験を踏まえながら「働きながら公認会計士の勉強した場合に何年かかるのか」を記事にしてみました。

先に結論ですが、働きながら公認会計士試験に合格するには「3年」が最低限の目安になると僕は考えます。

その理由を細かく説明していきます。

前提条件

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どんな社会人にも適用できる勉強期間というのはありません。

なので、この記事では、勉強期間を考える際の社会人を以下のとおりとしました。

 前提とした社会人

  • 仕事は18時に終わる
  • 仕事後にちゃんと勉強できる体力がある仕事である
  • 休日は勉強に専念できる

これらの条件に該当する社会人は多くはないと思いますが、
このぐらいの環境は揃えないと合格は無理です。

僕も9か月は働きながら勉強していたのですが、あまりに勉強時間が確保できなくて、退職して勉強専念に切り替えました。

今振り返ると、上記の条件に昔の僕の職場はすべて該当してないですね(笑)。

社会人が1年に確保できる勉強時間は「1,300時間」

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社会人が働きながら勉強できる時間は、1年間で最大でも1,300時間(週25時間 × 52週)です。

その理由を説明します。

1週間の勉強時間は最大で「38時間」

平日は、18時に仕事が終わって、通勤や夕食があるので20時から勉強ができるとします。

そこから24時くらいまで勉強できると仮定すると、4時間は勉強できますね。

休日は、TACアンケートより、9時間と仮定します。

これらを単純計算すると、「週38時間」の勉強時間が確保できます。

 社会人の1週間の勉強量

  • 平日:4時間 × 5日 = 20時間
  • 休日:9時間 × 2日 = 18時間
  • 合計:38時間

現実的には1週間で「25時間」

ここから少し補正を加えたいと思います。

というのも、38時間を導き出した仮定が、「最高」と言っていいくらい高い行動水準だからです。

まず、休息日を一切考慮していません。

だいたいの予備校は、勉強に専念している受験生に対して、週1日は休むように指導することが多いです。

1日中勉強するというのは、なかなかの重労働ですので、適度な休みは必要です。

働きながら勉強する社会人は、言わずもがなといった感じです。

次に、社会人で働いていると必ず発生する、想定外のトラブルです。

仕事が思ったよりも進まなかったり、同僚の仕事のフォローなど、勉強に集中できない事象がしばしば発生します。

これらのマイナス要因を考えると、「週25時間」程度が妥当だと思います。

週25時間って、意外と少なくない?

こればっかりは体験してほしいとしか言えないのですが、週25時間も勉強できるだけでも僕は尊敬します。

バイトとかの時短ならいざ知らず、フルタイムで働いた後というのは、心身ともにかなり疲れています。

スポーツの試合の後に勉強をするといった感覚と近いです。

僕が働きながら勉強していた時は、最高でも月60時間程度、週15時間程度しかできませんでした。

社会人が合格に必要な勉強時間は「4,050時間」

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社会人が合格に必要な勉強時間は「4,050時間」ぐらいだと思っています。

その計算の詳細は、次のとおりです。

  • 短答式の合格に必要な勉強時間:1,500時間
  • 論文式の合格に必要な勉強時間:1,200時間
  • 補正:1.5倍
  • (1,500時間 + 1,200時間 ) × 1.5倍 = 4,050時間

次節からこの計算を解説します。

短答式の合格に必要な勉強時間

短答式の合格に必要な勉強時間は「1,500時間」と僕は考えています。

別の記事で細かく説明していますので、気になる人は読んでみてください。

論文式の合格に必要な勉強時間

論文式の合格に必要な勉強時間は「1,200時間」と僕は考えています。

別の記事で細かく説明していますので、気になる人は読んでみてください。

勉強時間の補正が必要な理由

勉強時間について、補正をかけたいと思います。

というのも、前節で僕が言っている勉強時間は「勉強に集中している時間」だからです。

僕は勉強時間をアプリで計測していたため、机に向かってぼーっとしている時間や休憩時間が一切入っていません。

前章では「社会人が1年に確保できる勉強時間」ということを説明しましたが、これは「勉強に集中している時間」ではありませんよね。

僕が受験生だったころは、1日9時間の勉強時間を確保して、勉強に集中している時間は6時間程度でした。

つまり、「勉強に集中している時間」を1.5倍すれば、この記事で説明した「社会人が1年に確保できる勉強時間」と同じ縮尺になります。

そのため、合格に必要な勉強時間の2,700時間を1.5倍して、4,050時間という結論になりました。

合格には最低でも「3年」は必要

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ここまでの計算を使って年数を算出すると「3.1年」という結果になります。

  • 社会人が1年に確保できる勉強時間:1,300時間
  • 社会人が合格に必要な勉強時間:4,050時間
  • 4,050時間 ÷ 1,560時間 ≒ 3.1年

僕の感覚では、3年程度で合格できるのは、かなり早いです。

というのも、同期で働きながら合格した人の経験を聞くと、3年で合格した人は少なく、4年以上かかった人が多いからです。

中には、1.5年や2年といったスピード合格の人もいましたが、「仕事がとても楽だった」「運が良かった」と言ってましたので、かなりのレアケースだと思います。

働きながらの勉強を試すには「簿記2級」がオススメ

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目安の勉強期間はわかりましたが、それを実践できるかはまた別問題です。

特に公認会計士試験の勉強を始めてしまってから「無理だ…」と思っても、そこから撤退して失うお金と時間が大きすぎます。

そこで、おすすめなのが「簿記2級」をやってみることです。

 簿記2級をオススメする理由

  • 試験科目が公認会計士試験と近い
  • 総勉強時間は200時間~250時間
  • 予備校に通っても10万程度と手ごろ

簿記2級に働きながら挑戦してみることで「公認会計士試験への適性」と「確保できる1週間の勉強時間」がだいたいわかります。

僕も公認会計士を目指す前に、試しに簿記2級に挑戦しました。

その内容は「独学で2か月」勉強して、総勉強時間は80時間にも満たないという、なんともひどい状態でした。

結果は「68点」でぎりぎり不合格という結果でした。

結果だけを見ると散々ですが、僕は結構ポジティブに考えていました。

というのも、「独学で勉強時間も微妙だったのに合格寸前だったってことは、割と簿記とかは得意かもな」と思ったからです。

その結果、公認会計士を目指すことを決めるきっかけとなりました。

公認会計士試験への挑戦を迷っているのでしたら、ぜひ簿記2級をやってみてください。

この記事のまとめ

最後にこの記事を簡単にまとめます。

  • 働きながら勉強して「3年」で合格したらすごい
  • 社会人をしながら勉強できるか不安なら「簿記2級」をやってみる

働きながら公認会計士に合格できるのでしたら、それに越したことはありません。

ただ、現実的にはとても難しいことだということは理解しておいてほしいです。

だって、働きながら3年もコンスタントに勉強できるでしょうか?

Googleで検索すると、働きながら合格した人の体験談とかが良く出てますが、あれは本当に一握りです。

うまく合格できた人がいる一方で、それ以上に「勉強専念へ切り替えた人」「あきらめた人」「ずるずると勉強してしまっている人」がたくさんいます。

そのことを念頭に、働きながら公認会計士を目指す人は、覚悟を決めて綿密に計画を立てて挑んでみてください。

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