社会人が公認会計士に合格するための勉強時間は「2,700時間」【理由も解説】

2021年6月25日

こんにちは、"ぬ"です。
働きながら9か月、退職して14か月の約2年勉強して公認会計士試験に合格しました。
現在は大手監査法人で事業会社の監査をしてます。

・社会人が公認会計士を目指す場合、どのくらいの勉強時間が必要なの?
・どうやって勉強時間を確保しているの?

こんな疑問に応えます。

社会人から公認会計士を目指すのは、とても大きな挑戦です。

もし挑戦して途中であきらめた場合、現職でのキャリアアップなどに使えた時間を丸々損してしまうのですから、当然といえば当然です。

なので、社会人から公認会計士を目指す場合、合格するための道筋をある程度を立ててから、挑戦すべきです。

この記事では、社会人から公認会計士を目指す人に向けて、その勉強時間の目安や勉強時間の各方法について、少しでも参考になる情報を紹介しています。

それでは本編へどうぞ!

社会人が公認会計士に合格するまでの時間は「2,700時間」

社会人と言ってもいろいろな方がいらっしゃるかと思います。

なので、この記事では、以下を前提としてお話しします。

 この記事での社会人像

  • 公認会計士合格=論文式合格
  • 社会人とは「従業員としてフルタイムで会社へ勤めている方」
  • 現職は経理や監査など、公認会計士に関連した仕事ではない
  • これまで簿記の勉強をしたことがない

さて、早速この記事の結論です。

上記の条件の社会人が公認会計士に合格するために必要な時間は、
2年間で「2,700時間」です。

この時間の計算は、以下の記事にまとめてありますので、もし興味があれば読んでみてください。

この「2,700時間」という数字ですが、実は、社会人特有のことではありません。

学生や無職の方も同様と僕は考えています。

さらに付け加えるなら、社会人の方がより勉強時間が必要なんじゃないかなとも思っています。

これらの理由を次から説明していきます。

「社会人」と「学生や無職」に差はない

確かに、社会人は学生や無職の方に比べると、社会での経験が豊富ではあります。

ただ、その経験は公認会計士試験に生きるかといえば、微妙なところです。

なぜなら、財務会計や会社法といった公認会計士試験の科目は、社会人だからと言って馴染みのある内容ではないからです。

論文式の文章を書く際には、会社員時代の経験が生きるんじゃないの?

こんな話もよく聞きましたが、実際に社会人を経て勉強をした僕としては、怪しいところです。

社会人は、日常的にメールやMTG、提案資料などを作るため、学生や無職の方に比べたら、文章を書いている経験は多いでしょう。

ただし、論文式の問題を一度解いていただければわかりますが、その内容は専門的で、かつ試験官が読んで点数をつけてくれるような書き方をしなければなりません。

「ビジネスメールをきれいに書けるスキル」と「試験で点数をもらえるように論述するスキル」は全くの別物なのです。

「社会人」は必要な勉強時間の増える可能性が高い

社会人は平日は働いていますから、学生や無職に比べると、平日の勉強時間がどうしても少なくなります。

そうすると、合格に必要な勉強時間に到達するまでの期間が、学生や無職と比べると長くなってしまいます。

いわば、社会人の勉強の密度は「薄い」のです。

勉強の密度が薄い分、理解が弱い部分や忘れている部分というものがどうしても増えてしまいます。

これらを補うための勉強時間もあるとすると、余計に勉強時間が必要です。

どのくらい余計に勉強時間が必要かというのは感覚的な話で、勉強期間にもよりますが、僕の感覚としては1.2倍~1.5倍くらいの勉強量は必要だと思います。

経理で働いていても勉強時間の短縮にはならない

社会人として経理部とかで働いていれば、公認会計士にスラスラ受かるんじゃないかと思う方もいると思います。

それは大きな間違いです。

会社の規模にもよりますが、経理部のメンバーとして求められる会計スキルは、基本的には「簿記2級」です。

僕の監査クライアントには、簿記の要件すら不要である場合もありました。

簿記2級は、予備校の公認会計士講座の初期の勉強として取り入れられることが多いです。

その内容は一般的な簿記2級の講座と変わらないので、勉強時間としては50時間~100時間です。

多少の勉強時間の短縮にはなりますが、3,000時間近い勉強時間を求められる公認会計士試験の、約3%程度にすぎません。

劇的な時短になるかといえば、なってないですよね。

それに、公認会計士試験の科目は、経理や簿記関係の科目だけではありません。

会社法や監査論など、法律的なことの勉強も求められますし、選択科目では経営学や統計学などもあります。

経理部門で働いていて、更なるキャリアアップを狙って公認会計士を狙うのは良い選択肢だと思いますが、経理だからと言って楽に受かると思っているのであれば、それは大きな勘違いなので注意してください。

社会人で勉強時間を確保する方法2つ

f:id:Null795:20210627142317j:plain

この章では、働きながら上手く勉強時間を確保する方法を紹介します。

僕自身も働きながら勉強した経験があり、勉強時間の確保に苦労しました。

苦労した中で工夫がいくつかあり、その中でオススメなものをご紹介します。

1. 家以外の場所で勉強する

働きながら勉強するのは、かなりの意志力が必要です。

特に、家で勉強しようとしても、以下の理由などから、机に向かうことすら難しいです。

 家で勉強できない理由

  • 家に帰ると気が抜けて疲れを感じてしまう
  • Youtubeや漫画などの誘惑が多い

僕も家で勉強をしようとしてた時は、家での様々な誘惑が強すぎて、勉強はまったくできませんでした。

こんな調子では、必要な勉強時間を全然確保できません。

そこで、僕は家で勉強するのを断念して、家に帰る前に勉強することにしました。

具体的には、平日の20時~23時は、タリーズでホットドッグとコーヒーを飲みながら勉強をすると決めました。

すると、不思議と予備校のテキストや授業に向き合えるようになりました。

タリーズでお金を使っているということもあり、真剣にやらなきゃという気持ちもあったとは思いますが、それ以上に家という環境ではなかったというのが大きい要因だったと思います。

2. 労働時間を短くする

平日の夜に勉強できないくらいに仕事が忙しい場合、その時点で公認会計士の合格はかなり厳しいです。

休日しか勉強時間がないため、平日も休日もフルで勉強できる学生や無職に比べると、圧倒的に勉強時間に差が出てしまいます。

そういった場合は、まずは職場環境を変える努力をしましょう。

具体的には、以下のような施策ですね。

 労働時間を短くする方法

  • 時短勤務を申し出る
  • 労働時間が短い部署へ異動する
  • 転職する

「仕事の環境を変えないまま合格したい」という方もいるかと思いますが、それは考えが甘いです。

とはいっても、やってみるまで納得できないと思いますので、そういう方は一度仕事と勉強の両立にチャレンジしてみてください。

チャレンジしてみてうまくいきそうなら継続していいでしょうし、無理だと思ったら本気で環境を変えるモチベーションになります。

まとめ:社会人だからと言って、合格のための勉強時間は減らない

最後にこの記事を簡単にまとめます。
  • 社会人が公認会計士に合格するのに必要な勉強時間は「2,700時間」
  • 社会人は勉強期間が延びがちなので、必要な勉強時間はさらに増える
  • 経理部門で働いていても、簡単に合格はできない
以上を参考に、社会人から公認会計士を目指す方は、勉強プランをぜひ考えてみてください。

-公認会計士
-