私が公認会計士を目指した理由

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公認会計士を目指す理由は人によって様々だと思いますが、話を聞いてみると以下のような理由が多いです。

  • 難関資格に挑んでみたい。
  • 手に職をつけたい。
  • 会計が好き。
  • 社会の役に立ちたい。

しかしながら、私はそういった理由で公認会計士を目指したのではありません。

一言で言えば「CFO(最高財務責任者)になりたいから」、その最初のステップとして公認会計士を選んだのです。

 

 

ファイナンシャルスキルを高めるため

CFOになるために必要なスキルは、大きく以下の4つに分けられます。

  • 経営企画スキル
  • ファイナンシャルスキル
  • マネジメントスキル
  • その他のスキル(IT・英語など)

これらのスキルは以下の本を参考にしています。

CFOを目指すキャリア戦略

CFOを目指すキャリア戦略

 

この中で私が重視したのは、ファイナンシャルスキルです。

理由は簡単で、CFOと名乗る以上、財務や会計に関しては経営層の中でも最高峰のスキルを持たないといけないと考えていました。

ではどうやってファイナンシャルスキルを習得していくかですが、2つの方法が考えられます。

  • 大企業の財務や経理部門に就職する
  • 公認会計士になる

オーソドックスな選択肢は、大企業の財務や経理部門に就職することです。しかしこの選択肢にはいくつか問題があります。

まず財務や経理の未経験者を採用してくれるかという問題です。バックオフィスの転職市場はどちらかというと買い手が有利です。営業など違って人の動きがそこまで激しくないからです。仮に採用するとしても財務や経理の素地がある人を優先的に採用していくのは想像に難くないです。

もし運良く採用されたとしても、任される仕事の内容にも問題があります。採用当初は簡単な仕事や雑務が多くなるでしょう。しかし大きい企業になればなるほどそういった仕事をずーっとやらされるといった話は多いです。仕事の分業もきっちりしているため、他の仕事をやりたいと手を上げても仕事の内容が変わらないことも多い。

これらの理由により、大企業の財務や経理部門に就職することはやめました。

残された選択肢は公認会計士だけです。私はいわば消去法的に公認会計士になることを決意したのです。

しかし、別にネガティブな感情がありません。

後述しますが、公認会計士になって監査法人に勤めることはCFOにとってファイナンシャルスキルを高める以外のメリットもあると確信したからです。だから公認会計士を目指すことは極めて前向きでした。

 

余談ですが、CFOを目指す場合、経営企画スキルがファイナンシャルスキルと同様に、いやそれ以上に重要かもしれません。

しかし、経営企画スキルを身につけるためには、

  • MBAの取得
  • 戦略系コンサルティングファームへの就職
  • 大企業の戦略室への就職

といった選択肢ぐらいしかありません。かなりハードルが高い選択肢であるため、経営企画スキルの取得を現時点では諦めるしかないという事情もありました。

 

数多くの大企業・成長している企業の内部をのぞき見できる

公認会計士になれば、監査のために企業秘密と言われる情報を閲覧することになります。被監査企業のビジネスに対して深い理解も必要となります。そのため、普通ならお話すらできない経営者とのコミュニケーションをたくさん行うことができます。

そういったことを通して、多くの企業のビジネスの内側を勉強することができます。

一般企業に就職していれば、会社の内部事情は自分が勤めたところしかわからないので、たくさん転職をした人でも平均5社ぐらいしか見れないでしょう。

しかし公認会計士であれば、年平均で5社を担当することはザラにあります。何年も監査を続けていれば数十社の会社を受け持ったことになります。

数十社ものビジネスを、表面的ではなく内部まで見れるという経験は、他の企業では得られるものではありません。この経験は私がCFOになったときに、経営戦略や人材採用、内部統制の構築などの幅広い分野で活かせるのではないかと考えています。

 

スキルアップの時間を確保できる

公認会計士になり大手監査法人に就職すれば、比較的長期の休みを取得することが可能です。

被監査企業の多くは3月決算なので、公認会計士にとっての繁忙期は4月~5月になります。GWは基本的になく、土日に仕事をするということもザラにあります。

しかしそれが終わってしまえば、比較的時間に余裕ができます。そのため8月や9月に数週間単位でまとめて休みを取得するといったことが可能です。

その時間を使って語学留学してみたり自分のビジネスを考えてみたりと、自分のスキルアップに注力することができます。

公認会計士になれば時間のコントロールも比較的自由にできるから目指した、という部分が私には結構あります。

 

おわりに

いかがだったでしょうか。私が公認会計士を目指した理由というのは、多くの人に当てはまらないとは思いますが、このように考えることもできるよということを知ってもらえれば幸いです。

実際に監査法人に勤めているマネージャークラスの人にはCFOのオファーが数多く来ています。もしCFOを目指したいという人がいらっしゃれば、公認会計士の選択肢を優先的に考えてみてはいかがでしょう。

もし明確な目標がなく公認会計士になりたいと考えている人は、その選択が自分にとって良いものなのかじっくり考えてください。

公認会計士になることは、時間とお金がかかります。特に時間という意味では、少なくても1年、長くなると2年3年と結構な時間を費やします。

それだけの時間を使ってでも公認会計士になりたい!と思えるのであれば、公認会計士を目指すべきです。

しかしそうでないのであれば目指すべきではありません。公認会計士になったからといってバラ色の世界が待っているわけではないのです。

自分のキャリアをあまり考えずに公認会計士になれば、

  • 思ったより公認会計士は稼げない。
  • 監査法人がつまらない。
  • 公認会計士になったからって将来安泰ではない。

といった感覚になるかもしれません。

公認会計士は素晴らしい資格です。しかしどんなに素晴らしい資格でも持っているだけでは意味がありません。自分の人生で公認会計士という資格をどうやって活かして行くのかがとても重要です。資格ではなく武器と言ってもいいでしょう。

いい武器を手に入れても使いこなさなければ宝の持ち腐れです。

公認会計士を目指す人は、その武器をどのように活かしていくのかを決めてから目指したほうが、自分の人生にとって大きなプラスになります。

公認会計士を目指そうとしている人は、勉強を始める前に公認会計士という武器が自分にとってどのような意味を持つのか吟味をしましょう。それでも公認会計士になりたいということでしたら、全力で勉強をしましょう。

そうすればあなたの人生はその瞬間から輝き出します。

-公認会計士