Nullog

サイドFIREに邁進中の公認会計士が、会計・財テク・QoLについて書いてるブログ

赤字覚悟のUberEatsを展開して、Uberは何を企んでいるのか

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UberEatsの配達パートナーをしていて、ふと「Uber本体はUberEatsから利益が出ているのか」と疑問に思いました。

なぜなら、売上と配達パートナーへの支払いが全く釣り合っていないからです。

UberEatsはUberにとって明らかな赤字

UberEatsによる売上は、レストランからのUberEatsのサービス利用料です。この手数料は公開されていませんが、一般的なフードデリバリーのコストから考えると、売上の30%ほどが手数料として支払われています。

そうすると、レストランがUberEatsを利用して1,000円を売り上げたとすると、「1000円✕30%=300円」がUberの売上となります。

一見この300円がまるごとUberの手元に残るように思われますが、ここから配達パートナーへの支払いがあります。

配達パートナーへの支払いは1回の配達あたり500円~600円ぐらいですので、仮に500円だとしても「300円-500円=▲200円」と赤字になります。

売上と原価だけで赤字ですから、管理のための人件費や維持費で更に赤字が拡大します。

UberEatsは明らかな赤字事業なのです。

Uberはそもそも儲かっていない

アメリカに本社を置くUber全体の経営成績を確認してみます。

2016年度
売上高:65億ドル(中国事業を除く) 
純損失:28億ドル

2017年度
売上高:75億ドル(中国事業を除く)
純損失:45億ドル

Uber - Wikipedia

売上高は65億ドルから75億ドルと15%増となっています。この売上の大きさでこの成長スピードはすごいですね。

ただ純損失は28億ドルから45億ドルと60%増。普通の会社ならとっくに倒産しているレベルでの純損失を出し続けています。

なぜ純損失が出ているのか、その原因は公開されている情報が不足しているため分かりませんが、多くの投資をしていることが大きな原因だと僕は考えます。

未だにシェアを取る段階

なぜUberは大きな投資をして大きな赤字を出しながらも経営をしているのでしょうか。

それは業界でNo1の地位を確立させるためだと考えます。

日本では聞き馴染みがないかもしれませんが、ライドシェア事業のライバルは結構います。

Uberと同じアメリカの「Lyft」、東南アジアの「Grab」、インドの「Ola」などです。

ライドシェア事業は広がりを見せていて、全世界ではすでに300社以上存在します。

現状ではUberが圧倒的に1位であることに間違いありません。しかしライドシェアは未成熟な業界です。サービスの仕組みはまだまだ改良の余地がありますし、とんでもないブレイクスルーが起こる可能性も高いです。不祥事や世の中の情勢の変化であっという間にパワーバランスが変わってしまうことだってあります。

Uberがこれからも高い成長率を保つためには、自らが市場を開拓して、ライドシェアの文化を世の中に作っていかなければなりません。そのためには巨額の赤字覚悟で投資を行うというのはスタンダードな考え方です。

赤字でもUberが日本でUberEatsを展開する理由

Uber全体の動きから見て、日本におけるUberEatsの展開も投資の一貫と考えられます。ではその投資でUberは何を狙っているのでしょう。Uberの狙いを考えてみました。

Uberの認知度向上

Uberは日本において、タクシーの配車を行っていますが、規制によって一般ドライバー(白タク)によるライドシェアは行えていない状態です。

ですが、シェアリングエコノミーがかなり進んでいる世の中ですので、白タクが解禁される可能性は高いです。

前述したようにUberのライバルは多く存在し、大きく成長している企業もあります。日本で白タクが解禁されたら、それらの企業も日本でのサービス展開を画策します。

白タク解禁に備えて「Uber」の名前を日本で広めておければ、他の企業よりも白タクの事業展開を有利に進めることが可能です。日本においてUber以外のライドシェア企業の名前は知られていませんからね。

UberEatsはUberの本業のための広告塔であると考えられます。

自転車便・バイク便

UberEatsを展開することによって多くの配達パートナーが登録をしています。その配達パートナーを利用して高い収益を獲得できる方法としては、自転車便・バイク便があげられます。

自転車便やバイク便の料金は高いです。

自転車便の料金を調べてみたところ、1kmの配達で1,000円です。

Uberが自転車便を行えば、依頼者からの売上はすべてUberが受け取ることができます。そこから配達パートナーへ支払いをすればいいので、配達パートナーへの支払いがUberEatsと同じ水準であれば「1000円ー500円=500円」の大きな黒字となります。

答え合わせは5年後?10年後?

Uberは世の中を大きく変えている企業の1つです。2019年には上場という噂もあります。上場したら経営方針や財務状況など様々かつ詳細な情報が出回るので、それを見るのが楽しみですね。

実際にUberが世の中をどのように変えていくのかは分かりませんが、上場してもすぐに世の中が変わるわけではありません。

今回僕が妄想したようなサービスを展開するのかもしれないし、しないかもしれない。いずれにしてもUberのサービスで世の中がよくなっていればいいなぁと思います。

Uberが何を成し遂げるのか、その答え合わせは早くても5年後です。それまで気長に待っていたいと思います。